京都の秋のお彼岸と、3年ぶりの「萩まつり」
こんにちは、京扇子の白竹堂です。享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
9月も半分過ぎ、もうまもなくお彼岸です。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、そろそろ残暑も落ち着き、過ごしやすい時期になってきます。シルバーウィークを迎える来週は、京都も少し人出が増えるかもしれません。
そこで今回は、京都のお彼岸と、3年ぶりに行われるお花のお祭りの話をしましょう。
お彼岸、おはぎ、萩の花
お彼岸のお菓子と言えば、やわらかく炊いたもち米であんこを包み、表面をもう一回あんこやきなこで包んだお菓子。春のお彼岸では「ぼたもち」、秋のお彼岸に食べるのは「おはぎ」と呼ばれるお菓子です。
京都(関西)のおはぎには、青のりをまぶした緑色のおはぎもあります。お彼岸になると、あんこ、おはぎ、青のりのおはぎがセットになって、あちこちのおまん屋さん(おまんじゅうなどを中心に扱っている気軽な和菓子屋さん)やスーパーに並びます。機会があればぜひお買い求めいただき、食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。
おはぎとぼたもち、同じお菓子なのになぜ名前が違う理由には諸説あります。最も知られているのは、春は牡丹、秋は萩と、季節の花に見立てたという説でしょう。ぽってり丸いぼたもちをぽってり丸い牡丹の花に、表面をくるんだあんこに浮かぶ小豆の皮を萩の花にそれぞれ見立てたと言われています。
同じお菓子でも見方を変えると何通りにも見えるというところがとても面白いですね。
3年ぶりの「萩まつり」
萩といえば、京都には萩の名所と呼ばれる場所がいくつかあります。おそらく最も有名な場所は、京都市上京区、御所のすぐ横にある梨木神社でしょう。
梨木神社は「萩の宮」とも呼ばれる萩の名所。境内には約500株もの萩が植えられていて、秋になると境内は萩の花でいっぱいになります。爽やかな秋風に萩の花がゆらゆら揺れる様子は風情たっぷり。多くの人たちがこの光景を見ようと参拝に訪れます。
梨木神社では、毎年秋になると「萩まつり」というお祭りが行われます。萩の花咲く境内で奉納される日本舞踊や弓術、居合などの伝統芸能が趣深く、京都らしさを十分に感じられる光景です。
萩まつりはここ数年、新型コロナウイルス感染症が流行した影響を受け中止されていました。
2022年は3年ぶりに開催決定。2022年9月23日(金・祝)から25日(日)までの3日間。23日は京舞が、24日は弓術や地唄・箏曲などが、25日は上方舞や抜刀術が奉納されるほか、神事も行われます。境内に湧く名水「染井の水」を使ったお茶席も設ける予定です。
秋のお彼岸は、少し過ごしやすくなったお彼岸の京都を、おはぎを食べたり萩を愛でたりして楽しんでみてはいかがでしょうか。
なお、萩まつりの詳しい日程等については、梨木神社のホームページをご確認くださいませ。