京都ゑびす神社で、商売繁盛を祈願
今年もよろしくお願いいたします、京扇子の白竹堂です。享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
元日の初詣に続いての大きなイベントのひとつに、十日ゑびすがあります。十日ゑびすとは1月10日のえびすさんのお祭り。福男選びで有名な兵庫県西宮市の西宮神社、商売の町大阪の今宮戎神社が有名ですね。
もちろん、京都にも京都ゑびす神社があります。場所は、白竹堂がある場所からもほど近い祇園エリア。そこで今回は、京都のえびすさんの宵ゑびすの様子をお伝えしましょう。
京都の十日ゑびすには、女優さんや舞妓さんも登場!
十日ゑびすは1月8日から12日まで開催されます。8日の招福祭、9日の宵ゑびす、そして10日の初ゑびす。11日は残り福、12日は撤福祭と、毎日なにかしらの神事が行われています。
神事自体は非公開ですが、それでもこの期間は、多くの人が商売繁盛を祈願しに参拝にやってきます。
中でも華やかなのは、10日の初ゑびすと11日の残り福。10日は東映太秦映画村の女優さんを乗せた宝恵かごが神社やその周辺を練り歩き、11日になると舞妓さんたちによる福笹授与が行われます。きっと、新春らしい明るさを満喫できるのではないでしょうか。
露店が建ち並ぶ中を、のんびりと「えべっさん」へ
京都ゑびす神社は、南座の東にある「大和大路通り」を下がった、つまり南に歩いたところにあります。
十日ゑびすが開催されるときは、京都ゑびす神社周辺の大和大路通りは車両通行止め。安心して歩けます。露店が出るのはもちろん、沿道のお店もちょっとした売り出しをしていて、非常に賑わいます。
出店は非常に多彩で、酒屋さんがお酒や酒粕を売っているかと思えば、履物屋さんが草履などの売出しをしていたり、ユニークなところでは美容院がヘアケア用品を販売していたりと、見ていて飽きません。エスニックフードを販売するキッチンカーも出ていました。もちろん、熊手を商っているお店もあります。
このようなお店を見ながらぶらぶら歩けば、京都ゑびす神社まであっという間。10分もかかりません。
商売繁盛、疫病退散
京都ゑびす神社の境内はあまり広くありません。何もないときにくると、こぢんまりした、静かな神社です。
しかし十日ゑびすの時になると話は別。境内は参拝客でごった返します。いったいあのこぢんまりした境内のどこにこれほどの人が入れるのかと不思議に思うくらいです。
多くの人がなるべくスムーズに参拝できるよう、境内には大和大路通からしか入れません。境内に入る行列に並び、少し待ちます。とはいえ、それほど長く待つことはありません。すぐに境内に入り、本殿前に進めました。
お参りしたあとは、本殿の横にある授与所で福笹をいただきます。授与所では巫女さんが奉納舞を舞って福笹に福をこめてくれているのですが、コロナ禍ということもあって授与所にはビニールシートが張られていて、巫女さんの舞はビニール越しにしか見えません。
また、京都ゑびす神社では本殿横の壁をトントンと叩く「横参り」というお参り方法があるのですが、こちらもコロナ禍を受けて中止。「横参り」には、最後に恵比寿さんに「よろしくお願いします」という念押しの意味を込めたお参り方法です。そのため、叩けなくともせめて、といわんばかりに壁に向かって手を合わせ、念押しをしていた人たちもいたのが印象的でした。
全体的な人出もやや少なめで、まだまだ空いているなという印象を持ちました。商売繁盛はもちろん、疫病退散、景気回復……いろんなことをお願いした2023年の十日ゑびすでした。