新撰組ゆかりの地、壬生寺の節分祭へ
こんにちは、京扇子の白竹堂です。享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
さて、前回は京都のユニークな節分祭をいくつか紹介しました。今回は、もう過ぎてしまいましたが壬生寺で行われた節分祭の様子を少しお話ししようと思います。
1000年以上の歴史がある古刹
壬生寺は、四条大宮からほど近い壬生エリアにあるお寺です。ホームページによると創建は991年ですから、もう1000年以上の長い歴史を持つお寺といえるでしょう。
ご本尊は延命地蔵菩薩で、古くから厄除・開運の御利益があるとして多くの人々の信仰を集めています。
このような長い歴史があるお寺ですから、当然、節分祭の歴史も非常に長いものです。白河天皇(在位1073~1087年)の発願により始まったとされているので、900年以上の歴史ある節分祭と言えるでしょう。
なお、壬生寺は京都の節分行事「四方参り(よもまいり)」のお寺のひとつでもあります。
四方参りは、御所の四方を守る神社仏閣にお参りし、鬼を封じるというお参りの方法です。その神社仏閣とは、北東(表鬼門)の吉田神社、南東の八坂神社もしくは伏見稲荷大社、南西(裏鬼門)の壬生寺、そして北西の北野天満宮です。
派手に割れる炮烙の音とユーモラスな狂言に願いを込めて
特に壬生寺の節分祭で有名なのは、炮烙(ほうらく)割と壬生狂言でしょう。
炮烙は、素焼きの平たいお皿のようなものです。意外と大きく、直径は30cmくらいでしょうか。境内で1枚500円で買い求め、炮烙書所で家族の年齢と性別、「家運長久」「学業上達」「交通安全」などの願意を書き、志納金とともに納めます。
納めた炮烙は狂言上演前に舞台に積み上げられ、それを演者がなぎ倒すようにして割り、心願成就を願う。これが「炮烙割」です。
炮烙割のあとは、いよいよ壬生狂言の上演。厄除け鬼払いの意味が込められた狂言です。1日4回上演されます。予約などは必要なく、当日行けばそれで見られるのですが、とにかく人気がある狂言なので早めに行かないと入れないのではないかな、と思います。
一般的な狂言と異なり、壬生狂言には台詞が入りません。音楽と演者の動きだけでストーリーを表現します。興味がある方は、公益財団法人京都市文化観光資源保護財団の公式YouTubeチャンネルで動画が公開されていますので、ぜひこちらをご覧ください。
壬生寺と新撰組、そして少しだけ白竹堂のお話
近年、歴史ファンの方々の間では、壬生寺は新撰組ゆかりの寺としても知られています。
新撰組は、壬生寺に隣接する八木家で生まれました。そして、壬生寺を訓練場として使っていたそうです。境内にある壬生塚には近藤勇や芹沢鴨はじめ11人の隊士が祀られているほか、近藤勇の遺髪を納める遺髪塔もあります。
こういった事情から、壬生寺には新撰組の記念グッズなども販売されています。その中には、弊社とコラボさせていただきました新撰組の扇子もございます。最後にちょっとした宣伝になってしまって少々心苦しいのですが、壬生寺に足を運ばれることがありましたら、この扇子もぜひご覧くださいませ。
※最後の写真のみ、PIXTAのものを使用しています