その他
2023年09月04日
日本の五節句のひとつ「重陽の節句」
こんにちは、京扇子の白竹堂です。
享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
9月9日は、五節句のうちのひとつ、「重陽の節句」。
時節柄、菊の節句、栗の節句とも呼ばれています。
季節の節目となる日のことを「節句」といいます。
この日に、無病息災・豊作・子孫繁栄などを願い、お供えや邪気払いを行います。
「節句」は奈良時代に中国から伝わり、当初は多種多様なものが伝来しましたが、日本の生活、文化にあわせて少しずつ少なくなっていきました。
そして江戸時代、特に重要な節句として、幕府が祝日として制定した5つの節句が、今でも「五節句」と呼ばれ残っています。
奇数は縁起が良い「陽数」であるという考え方に基づき、節句はすべて奇数の日に定められています。
1月、3月、5月、7月と節句が続く中で、最後が9月9日の「重陽の節句」。
奇数の中でも縁起の良い「9」が2つも重なる9月9日は、数ある節句の中でも特に縁起が良いとされています。
菊が咲く時期にちなみ「菊の節句」、栗の収穫の時期であることから「栗の節句」ともいわれます。
「重陽の節句」では、菊を冷酒に浮かべた「菊酒」をいただきます。
菊の香りがうつった冷酒を飲み、邪気を払い、無病息災や長寿を祈ります。
縁起が良いと言えば、扇子の形は「末広がり」。
末が広がって栄える、またその様がめでたいことを連想させるものです。
暦の上では秋とはいえ、まだまだ残暑が続きます。
縁起の良い節句には、縁起の良い扇子が似合います。
涼みながら、長月の風情を味わってください。