京都の暮らしと扇子
扇子のうんちく
2023年11月08日
「祇園をどり」を楽しむ
こんにちは、京扇子の白竹堂です。
享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
今回は、京都の花街の文化から、「祇園をどり」とその楽しみ方をご紹介いたします。
京都には、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東と、5つの花街があります。それぞれの花街に、芸舞妓さんが日頃研鑽を積んだ芸事を披露する場として、「をどり」があります。「祇園をどり」は、毎年11月1日から10日間、祇園会館で開催している祇園東の舞踊公演で、唯一秋に行われる公演です。
「祇園をどり」の魅力のひとつは、毎年違うテーマの演目であること。これまでも「和菓子職人」「襖絵」「童遊び」など、さまざまなテーマがありました。
今年は「佳辰祝礼五節句(かしんしゅくれいいつつのせっく)」。京都府に文化庁が移転したことから、日本の文化である、季節の節目で邪気を祓い清める「節句」をテーマにしたそうです。1月7日の七草の節句、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句、9月9日の菊の節句と、5つの節句それぞれに因んだ舞踊を通し、日本の四季を辿る構成になっています。
芸舞妓さんの踊りでは、扇子が使われる演目もあります。芸舞妓さんの踊りのなかで、自在に操られ、綺麗に舞う扇子。舞台を美しく演出します。ぜひ注目してみてください。
公演会のチケットにはお茶券がついており、始まる前にお抹茶とお菓子をいただけるので、30分前など少し早めに行くと、焦らずゆっくりと「祇園をどり」を鑑賞できます。
公演会のパンフレットには英訳文もあり、国内外の観光客の皆様も楽しめます。
芸舞妓さんの磨き抜かれた伝統芸能を鑑賞し、京都の秋をお楽しみください。