京都の暮らしと扇子
2024年06月24日
京都の「夏越の祓」
こんにちは、京扇子の白竹堂です。
享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
1年の真ん中にあたる6月。京都の神社では「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行われます。夏越の祓は、大きな「茅の輪(ちのわ)」をくぐって、それまで半年の穢れ(けがれ)を払い、残り半年の無病息災を祈る行事です。
職人が編み上げる、人がくぐれるほどの大きな茅の輪は見応えがあります。主に6月30日に神事が行われ、茅の輪が設置される時期は神社によってさまざまです。鳥居や門の真下、白砂の中央など、それぞれの神社で設置場所にも特色があります。
(写真の扇子は短地黒谷和紙)
この夏越の祓の時期に、京都では水無月をいただきます。水無月は、ういろう生地の上に小豆を乗せた、ほんのりと甘い和菓子です。小豆には魔除けの意味があり、三角の形は暑気払いの氷を表しているといわれています。抹茶や黒糖の水無月が並ぶお店もあります。
写真の扇子は、京都府指定無形文化財「黒谷和紙」を贅沢に使用した「短地黒谷和紙 扇子セット」。
「黒谷和紙」は京都府北部で生産される、800年以上の歴史を持つ伝統の手漉き和紙です。その丈夫さから、提灯や和傘、また世界遺産の京都 二条城の障子や萬壽院(まんしゅいん)のふすまなど、文化財にも使用されています。専用の扇子袋と黒塗りの桐箱に入れてご用意いたします。
夏の京都は、ますます気温が高くなりそうです。お気に入りの扇子を片手に、夏越の祓に足を運んでみてください。縁起物として、ぜひ水無月もお土産に。涼やかな扇子とお菓子を眺め、京都の夏に浸る優雅なひとときをお過ごしください。