「舞扇子」と「飾り扇子」
2023年10月17日
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こんにちは、京扇子の白竹堂です。
享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。
前回のブログでもご紹介しましたが、扇子は伝統芸能のお道具としてよく使われるもの。
(参考:「落語と扇子」https://www.hakuchikudo.co.jp/news/topics/6606)
今回は、伝統芸能のひとつ「日本舞踊」で使われる「舞扇子」について、ご紹介したいと思います。
「舞扇子」は、日本舞踊をはじめ、民謡舞踊や新舞踊などで使うための扇子です。涼をとる扇子とは異なり、長さは九寸五分(約29cm)前後と、少し大きめ。骨は10〜11本ほどです。骨の色は、白竹(しらたけ)・塗骨(ぬりぼね)・煤竹(すすだけ)など多種あります。基本的に、お稽古では白竹が使われ、塗骨と煤竹は舞台用となります。
踊りの際に扇を投げたり、要を持って回したりすることもあるので、安定して扇面が上、要が下の正しい位置に向きやすいよう、要近くの部分に「おもり」を入れています。また、激しい動きにも耐えられるよう、親骨と扇面の紙の接着部分を糸でしっかりと留めています。
紙の扇面には、金銀などの色を使った華やかな絵柄が描かれ、季節の風景を表すものも多いので、床間などに飾られる場合もあります。一方で、写真のように飾ることだけを目的とした「飾り扇子」もあります。大きさや骨の数など、見た目は「舞扇子」と似ていますが、「おもり」などを入れる必要はありません。その名の通りインテリアとして部屋に飾り、扇面の美しい絵柄を楽しむためのもの。部屋の「飾り扇子」を変えながら、季節を感じるのもいいものです。
どちらも白竹堂ではお取り扱いしております。ぜひ美しい扇子をご覧になってください。
白竹堂の飾り扇子:
https://www.hakuchikudo.co.jp/products_new/other/other_ornament
白竹堂の舞扇子:
https://www.hakuchikudo.co.jp/products_new/other/other_dance